TEL.044-953-2008
休診日:金曜・祝日
診療時間:9:00〜12:00
14:00〜19:00 (受付は18:30まで)
2019年 9月 尿が出ていない! 前回までは尿の量が多いことに着目しましたが、今回は尿が出ていないと感じた時のことについて話そうと思います。尿がでていない時は、「そもそも尿がない」か「尿が溜まっているのに何かの原因で出すことができない」のどちらかです。当たり前のことですがこれは大きなことで、前者はペットが尿のこと以外は元気に過ごせていれば、緊急性は低いことが多いですが、後者の場合はすみやかに尿を出せるようにしないと腎臓に負担をかけて命に関わります。もし自分のペットが気になったら、トイレに行って排尿姿勢をとる回数と頻度、その時に痛みがあるか尿は少しでも出ているのかを確認し、尿が取れれば持参して動物病院に相談するのがよいでしょう。また、腹部を触ると膀胱の状態がわかることがありますが、破裂する可能性もあるので、腹部が張っていれば無理せずに獣医師の診察を受けた方がよいでしょう。 2019年 8月 多飲多尿A 前回は多飲多尿という状態について意識してもらい、体内の水分調節のバランスが取れていないということをお話しました。今回は、少し具体的なお話をしようと思います。病的に多飲多尿を惹起する原因は様々ですが、腎臓、ホルモン、感染症などが原因として多くを占めます。腎臓は尿を生成する場であり、血圧のコントロールにも重要で、トラブルが起きると、血液の濾過と再吸収がうまくできずに、水分バランスがとれなくなります。また、ホルモンの病気には糖尿病、副腎皮質機能亢進症があり、前者は高血糖により浸透圧が上昇して多くの水分を必要とし、後者は糖質コルチコイドの過剰により利尿作用が生じます。感染症としては子宮蓄膿症が代表的で、子宮に菌が増殖しその毒素が全身性あるいは腎臓に障害をもたらします。このように、様々な理由があるので他の検査も含め総合的に原因を絞り込んでいくのです。 暑い日が続き、よく水を飲むように気を付ける季節に差し掛かってきました。さて、ペットを連れて病院で診察を受けているとき、「昔よりよく水を飲みませんか?尿の量が明らかに増えてませんか?」と、獣医師に聞かれることがあるかもしれません。これは多飲・多尿と呼ばれる症状を評価するためなのですが、この症状は生体内の水分のバランスが崩れていることを示すわかりやすい徴候なのです。多飲多尿は、病的に体内での水分管理がうまくできていない可能性があるので、正しく状態を把握する必要があります。もちろん病的ではなく、暑くてのどが渇けば、生理的に飲水量・尿量は増えますし、食事の質(ドライ・ウェットなど)によっても変わってくることがあります。症状が気になった時は、まずはペットをよく観察し、口から入るものや尿量をできるだけ正確に把握し、動物病院に相談すると良いでしょう。
|